筆界特定制度

筆界特定制度とは

筆界特定の申請人

筆界特定の申請の方法

筆界の調査等

筆界特定

筆界特定制度とは

隣地所有者との境界の認識が一致せず、法務局・役所の資料からも正確な境界が判明しない場合に利用する制度です。
法務局の筆界特定登記官が、外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、現地における土地の筆界の位置を特定します。
筆界特定について不服があるときは、裁判所に境界確定の訴えを提起することができます。
この境界確定の訴えは、筆界特定の前後を問わず提訴することができますが、筆界特定後であれば、 筆界特定手続きの記録を基本として裁判が行われることになります。

筆界特定の申請人

筆界特定は、筆界の特定を必要とする土地の所有権登記名義人等からの申請により開始されます。
所有権の登記がないときは表題部所有者、登記記録自体がないときは所有者から申請することができます。
これらの者が死亡している場合は、相続人等の一般承継人が申請人となることができます。
また、一筆の土地の一部を取得した者から申請することもできます。
土地が共有の場合、共有者の1人からの申請も可能です。

筆界特定の申請の方法

管轄法務局の長に対して申請を行います。
申請書には、主に次の情報を記載・記録します。

  1. 申請の趣旨
  2. 筆界特定の申請人の氏名又は名称及び住所
  3. 対象土地の不動産所在事項等
  4. 対象土地について筆界特定を必要とする理由
  5. その他法務省令で定める事項

筆界の調査等

筆界特定の申請がなされると、筆界調査委員による調査が開始されます。
筆界調査委員とは、筆界の特定に必要な専門知識や経験を有する専門家から、法務局長等が選任した者のことです。
土地家屋調査士などが選任されます。
筆界調査委員は、その指定を受けたときは、対象土地や関係土地の実地調査や測量、関係者からの聞き取り、資料の調査を行います。
一方、当事者は筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界についての意見や資料を提出することができます。
筆界特定登記官とは、法務局長等が指定した、筆界の特定を担当する登記官のことを指します。

筆界特定

筆界調査委員は、調査を終了した後、筆界特定登記官に対し、対象土地の筆界の特定について意見を提出します。
筆界特定登記官は、その意見を踏まえて対象土地を特定し、「筆界特定書」を作成し、申請人に交付します。
さらに、筆界を特定した旨を公告し、関係者に通知しなければなりません。
筆界特定の手続きが終了すると、対象土地の登記記録に筆界特定がされた旨が記録されます。